3月初旬。某コマーシャルの撮影のため、私、倉田をはじめとする『アンフルラージュ撮影チーム』(藤垣、生井)の計3名は、沖縄ロケに行ってきました。
出演する女優さんやモデルさんの人数が多い場合、ヘア&メイクも今回のように複数で臨むこともときにはあるのです。
沖縄滞在は4日間。初日は準備日。ロケハンに行くなど、撮影の下準備をします。
2日目はスチィール撮り。スタジオの中で行なう写真撮影なので、仕事そのものに支障はきたしませんでしたが、現場には重たい空気が立ち上りました。
「明日のムービィー撮影(海岸でのロケ)でも雨が降ったらどうしよう」と、誰もが心の中で思っていたからです。
そして翌3日目。この日のために準備をしてきた制作の方や現場のそれぞれのスタッフは、祈るような気持ちで朝を迎えました。
早朝4時の段階ではまだまだ雨が降っていたのですが、予定通り5時半からヘア&メイクを開始。
とにかく今、自分ができることをきちんとやろう。そんな必死の思いでした。
ホテルを出発する予定時間の8時、集合場所のロビィーから空を見上げると、先程より空はやや明るく、雨も小降りになっていて、これなら何とか大丈夫かも、という予感がしました。
不安と祈りを抱えてロケバスに乗り込み、ロケ現場についた時は、なんと快晴!
雨上がりのせいか、空気が澄みわたり、空の青さがひときわ美しく輝いています。スタッフの誰もが心の中で『ありがとう』とつぶやいていたのではないでしょうか?もちろん僕たちも心から“天気の神様”に感謝、感謝です。
でき上がった映像を見ているだけだと、こういった苦労や苦悩があっただなんて、誰にも想像できないはず。
けれど、たった一枚のスチール写真、たった数十秒のコマーシャルフィル厶の背景に、実はたくさんのドラマが隠されているのです。
撮影の現場は、常に空気がピンと張りつめていて胃が痛くなるほどの緊張感を強いられますが、スタッフと息が合った瞬間は実に楽しく、作業が大変であればあるほど、それを完成させたときの達成感は最高です。
最終的には、どんな作品に仕上がったんだろう?
今から、あの沖縄ロケのコマーシャルがオンエアされるのが楽しみでなりません。
皆さんもぜひ今度コマーシャルを見るときは、背景にはどんなドラマがあったんだろう?と、想像を膨らませてみてください。
また違った楽しみ方ができるはずです。